MRX7-D

豊富なI/Oと優れた拡張性

豊富なI/Oと優れた拡張性

MRX7-Dは本体に12 in / 8 outのアナログ入出力を装備しています。再生用のSDメモリーカードスロットも装備しています。

加えて、ネットワーク規格 Danteやヤマハ独自のデジタル伝送規格 YDIF、さらにはMini-YGDAIカードスロット1基を備え、最大で108 in / 104 outの大規模システムにも対応します。

再生用SDメモリーカードスロット搭載

再生用SDメモリーカードスロットを搭載し、SDメモリーカードに保存されたMP3/WAV の音声ファイルを再生することができます。例えばリモート操作でBGM音源を再生したり、録音したアナウンスをスケジューラー機能により決まった時刻に自動で放送したりすることが可能です。

さらにチャイムの音声ファイルを保存し、別売のページングステーションマイク PGM1のトリガーにより再生することも可能です。

入出力の拡張を可能にする、MYカードスロットおよびオプションの入出力エクスパンダー「EXi8」「EXo8」

Mini-YGDAIカードスロット 1基を装備し、別売のMYカードにより最大16 in / 16 outの拡張可能。多彩なフォーマットでの音声入出力が可能です。

さらに別売のインプットエクスパンダー「EXi8」、アウトプットエクスパンダー「EXo8」を用いて入出力の拡張が可能です。ヤマハ独自のデジタルネットワークオーディオ規格 YDIFを経由して、マイク/ライン入力8チャンネル、またはアナログ出力8チャンネルのいずれかを拡張できます。

MRX7-Dを核としたデジタルネットワークシステム

MRX7-Dは大規模システムに最適なデジタルネットワーク規格 Dante、および短中距離の接続に便利なのヤマハ独自のデジタル伝送規格 YDIFに対応しています。MRX7-Dを核とするデジタルネットワーク構築により、システム設計の柔軟性が高まり、施工時間や労力の軽減にもつながります。

ラック内配線に便利なYDIF

ラック内配線に便利なYDIF

ヤマハ独自のデジタルネットワークオーディオ規格 YDIFに対応。最大30mのCAT5eケーブルを用いて、16チャンネルの音声信号とワードクロックを送受信できます。ラック内でのMRX7-DおよびMTXシリーズ間のカスケードや、マルチチャンネルパワーアンプリファイアーXMVシリーズYDIFモデルとの接続がCAT5eケーブルのみでシンプルに行えます。

64 in / 64 outのDante入出力により、大規模なデジタルネットワークオーディオシステムに対応

64 in / 64 outのDante入出力により、大規模なデジタルネットワークオーディオシステムに対応

MRX7-DはAudinate社が開発したネットワークオーディオ規格Danteに標準で対応。44.1kHz/48kHzで64 in / 64 outの入出力を搭載しています。MRX7-Dをマルチチャンネルパワーアンプリファイアー XMVシリーズDanteモデルと組み合わせて、シンプルなシステムから複雑なシステムまで構築可能です。

Danteが搭載されている機器はプロセッサーやパワーアンプリファイアーだけではありません。デジタルミキシングコンソールを始めとする様々なヤマハ音響機器に搭載されています。様々な音響機器により構成される比較的大規模な設備では、最長伝送距離が30mのYDIFよりも、CAT5eケーブルで最長100mの伝送が可能なDanteが最適です。

すべての音声信号および制御信号をDanteネットワーク越しに管理することができるため、システムの変更や拡張が容易です。CAT5eケーブル1本で機器を追加することができ、MTX-MRX Editorにより素早く設定できます。さらにI/Oラック「Rioシリーズ」「Tio1608-D」のHAコントロールに対応し、HAの設定をプリセットで呼び出したり、デジタルミキサーとI/Oラックを共有活用できます。音声入出力の末端までDanteで接続することで、音声入出力の分散・長距離配置が可能です。

Dante Domain Manager、AES67及びDante Device Lockに対応

Audinate社「Dante Domain Manager」に対応(Ver3.31以降)。

Audinate社の「Dante Domain Manager」は、Danteネットワークのユーザー認証、ロールベースのセキュリティ設定を可能にするネットワーク管理ソフトウェアです。安全性と拡張性に優れたDanteインフラの音響システム構築が可能となります。例えば、ルーター越しに異なるセグメントのネットワーク間で音声送受信、ルーティングすることも可能になります。

オーディオネットワークの相互接続規格「AES67」に対応。これにより「AES67」を介して「Ravenna」や「Q-LAN」「Livewire」といったオーディオネットワークへの接続が可能となり、システムの拡張性が高まります。

また、第三者によるDante設定変更を防ぐ「Dante Device Lock」にも対応します。ホール設備など、外部オペレーターによる操作や持ち込み機材が想定される環境において、システムのセキュリティを高めることができます。

会議室向けに最適な機能を搭載

MRX7-Dは大人数の会議や遠隔拠点との会議に最適な機能を多数搭載しています。これらの機能はMTX-MRX Editorから設定可能です。

会議室向けに最適な機能を搭載

複数マイク使用時のハウリングの発生や、周囲の雑音の回り込みを低減

株主総会やパネルディスカッションなどにおいて多数のマイクを使用する際、ハウリングが発生したり、会場内の雑音をマイクが拾うことで、音声の明瞭度が下がる場合があります。これを低減する技術が、Dan Duganオートマチックミキサーです。

Dan Duganオートマチックミキサーは、米Dan Dugan Sound Design社が開発した独自のアルゴリズムに基づく技術です。入力のあるマイクのゲインを自動的に上げ、入力のないマイクのゲインを絞ります。また各入力と全ての入力の和を比較し、トータルのミキサーゲインを定にするように各入力のゲインを調整します。これにより、ハウリングマージンを⼀定に保ち、同時に拡声音(S)と周囲雑音(N)のS/N比も飛躍的に向上します。

MRX7-DはDan Duganオートマチックミキサーを標準で搭載。V3.0では、最大24チャンネルにインサートすることができ、多数のマイクが必要とされる大規模な会議においても余裕を持って対応することが可能です。

1. 話者がいない場合

2. 話者が1人の場合

3. 話者が複数の場合

1. 話者がいない場合
誰も話していない場合には、どの入力もレベルは低く、ゲインレベルは均等です。この時、各マイクはミュートされるのではなく、トータルゲインが不変となるよう3本のマイク間でゲイン配分されます。

2. 話者が1人の場合
1人が話した場合には、そのマイクのゲインのみ瞬時に0dBまで上がり、他の2本のマイクはゲインが下がります。別の1人が話した場合も同様の動作です。

3. 話者が複数の場合
2人が同時に話した場合には、トータルゲインが一定となるよう2本のマイク間でゲインが自動配分され、残り1本のマイクのゲインは下がります。

会議室の外への情報漏えいを防ぐため、機密性の高い会議も安心

会議室やミーティングスペースでの打合せ内容、金融機関や医療施設での会話情報の秘匿性を確保したいという社会的ニーズが高まっています。

このニーズに応えるのが、特殊な音声で会話に含まれる情報をマスキングするスピーチプライバシーシステムです。

一般的な「サウンドマスキング」は「ノイズ式マスキング」とも呼ばれ、大きな音量のノイズにより会話を書き消します。一方ヤマハのスピーチプライバシーシステムは、人の声を素材に独自開発した「情報マスキング音」を用いて会話の中の音声情報をカモフラージュし、会話の内容を意味不明瞭にします。 このため、比較的小さい音量で高い効果を発揮し、空間の快適さを損なうことなく情報の秘匿性を保ちます。

* 会話(声)を消すものではありません。

遠隔会議におけるエコーを除去し、音声明瞭度を向上

遠隔会議において、音声の明瞭度が低く困った経験は無いでしょうか。その原因のひとつがエコーです。自室に設置したスピーカーから出た相手の音声をマイクが拾い、遅延をともなったエコーとなり自室の音声とともに相手室へ送り返されます。相手室の話者には自身の声のエコーが聞こえ、音声の明瞭度が低下します。

このエコーを除去し、音声の明瞭度を高める機能がアコースティックエコーキャンセラーです。マイクに入力された音声とスピーカーから出力された音声を比較分析し、適応型フィルターを用いてマイクに入力された音声からスピーカーからの音声を減算処理します。 これによりスピーカーの音声がマイクにフィードバックされてエコーとして伝送されることを防ぎます。(部屋固有の反射音や残響音を取り除くものではありません。)

MRX7-Dにはアコースティックエコーキャンセラー機能が標準で搭載されています。MRX7-Dを遠隔会議システムに採用することで音声明瞭度を高め、会議自体の生産性を向上することができます。

※アコースティックエコーキャンセラー機能はV2.1以降使用可能です。

システム設計の柔軟性

MRX7-Dの設定は専用アプリケーションである「MTX-MRX Editor」を使用します。このアプリケーションにより、インプット/アウトプットエクスパンダーEXi8/EXo8や、パワーアンプリファイアーXMVシリーズの設定、管理も可能であり、システムの入力から出力までスピーディに設定できます。

システム全体を設計する専用アプリケーションソフト MTX-MRX Editor

「MTX-MRX Editor」はシグナルプロセッサー「MTXシリーズ」「MRXシリーズ」を中心とした音響システムを構築するアプリケーションソフトウェアです。 マイクやCD、MP3・WAVEなどの音楽ソースのミキシング、各エリアのニーズに合わせた個別音楽・音声配信、タイマーセットによる自動音楽再生やアナウンスなど、複数エリアの使用環境や用途に合わせた音響システムを1台のPCでコントロールすることができます。

MTX-MRX Editorは設備物件の業務ワークフローに則った使い勝手で、ウィザード形式で機器配置を行った後、機器コンポーネントを自由に配置。柔軟な音響機器のシステムデザインができます。物件用途や規模に応じてマトリクスプロセッサー「MTXシリーズ」を選択、もしくは組み合わせたり、インプットエクスパンダーEXi8、 アウトプットエクスパンダーEXo8、 XMVシリーズのパワーアンプ、デジタルコントロールパネルDCPシリーズの設定も行えます。 MTX-MRX Editorは⼊⼒から出力設定までを設計管理できる統合ソフトです。

1 ウィザード形式で機器配置
MRX7-Dの他、MTXシリーズ、パワーアンプリファイアーXMVシリーズ、デジタルコントロールパネルDCPシリーズ、インプット・アウトプットエクスパンダーのEXi8/EXo8を配置できます。

2 コンポーネント設定
フェーダーやON/OFFスイッチの他、マトリクス、ソースセレクター、GEQ、Duganオートミキサー、スピーチプライバシー、エコーキャンセラーなど、多彩な機器コンポーネントを内蔵。用途や環境に応じた適切なコンポーネントを選択し、グラフィカルな画面で最適なサウンドデザインが行えます。

3 外部コントローラー設定
実際にエンドユーザーが操作するパラメーターをMTX-MRXエディターで設定。使用形態にあったコントローラー運用ができます。

システムの柔軟性を向上する、様々なリモートコントロールに対応

MRX7-Dは様々なリモートコントロールに対応しています。

・シンプルなデジタルコントロールパネル DCPシリーズ

・LCDディプレイ搭載、ウォールマウントコントローラー MCP1

・ページング対象Zoneの選択と録音音声の再生コントロールもできるページングステーションマイクロフォンPGM1

・iPod /iPod touch/Androidデバイスからのワイヤレスコントロールが可能なアプリケーション Wireless DCP

・自由にカスタマイズしたiPad上のコントローラーから遠隔制御が可能、またMusicCast(R)製品や自動演奏つきアコースティックピアノ Disklavier(TM) ENSPIREのリモートコントロールにも対応したアプリケーション ProVisionaire Touch

・自由にカスタマイズしたWindowsタブレット上のコントローラーから遠隔制御が可能、またデジタルミキサー CL/QL/TFシリーズやI/Oボックス Rioシリーズなど幅広いヤマハ音響機器のリモートコントロールに対応したアプリケーション ProVisionaire Control

・Ethernet端子およびRemote端子を経由し、AMX / Crestron機器からの制御にも対応

PGM1、PGX1と組み合わせることでページングシステムを構築可能(MRX7-D, MTX5-D)

PGM1、PGX1と組み合わせることでページングシステムを構築可能(MRX7-D, MTX5-D)

別売のDante搭載ページングステーションマイクロフォン PGM1、およびページングステーションエクステンション(拡張ユニット) PGX1と組み合わせて、ページングシステムを構築することが可能です。

PGM1 1台(8局)につきPGX1(8局)を最大2台接続可能。1つのシステムにおいて、最大4台のPGM1を組み込むことが可能です(PGM1, PGX1合計で最大96局)。MTX-MRX Editorを使用し、複数台のPGM1のうち1台を優先マイクとして設定することも可能です。