MSP STUDIO Series 生産完了品

ニアフィールドモニターとして理想的な音質を実現

「MSP7 STUDIO」は中規模プロジェクトスタジオ環境に最適なパワードスタジオモニターです。スピーカーユニットは2ウェイのバスレフ型で、スムーズでレスポンスに優れたLF:6.5インチコーン、軽量で立ち上がりに優れたHF:1 インチチタンドームを採用。この新設計のスピーカーをドライブするアンプ部はバイアンプ仕様の130W (LF:80W、HF:50W) のアンプリファイアを採用し、プロジェクトスタジオ環境に十分な出力を確保。

各スピーカーユニットは、急峻なクロスオーバーフィルタースロープ(LF:30dB/oct, HF:30dB/oct) により最適化されており、使うアンプの違いや環境による音質の変化を気にすることなく、モニタリングに集中ができます。入力端子はXLR バランス端子を装備しています。

ニアフィールドモニターに求められる「精確」な再生能力を徹底的に追求したキャビネット構造

キャビネットは音響用プラスティックで厚肉一体成形を採用しました。従来のMDF キャビネットでは、バッフルと側板は接着剤で接合しており、キャビネットの振動はその接合面で不連続な動きとなりますが、一体成形を採用することにより振動はバッフルから側板へスムーズに伝わり自然な響きを実現しました。

形状もラウンドバッフルを採用することで、音の回折による影響を低減し自然な波面を形成することで、精確な音場を再現することを可能にしました。バスレフポートは前面に配置し、壁との近接による低域の増幅に悩まされることもありません。

ウェーブガイドホーンの採用とハイレゾルーション/ フラットレスポンス

ツイーター側に採用したウェーブガイドホーンは、平面波を球面波に変換する音響原理=「ウェーブガイド理論」に基づく理想的なホーン形状です。音の反射や相互干渉を最小限に抑制し、均一な円形指向パターンを実現。モニタリング・ポジションによる周波数特性の変化を解消し、音の歪みやカラーレーションのない、クリアでナチュラルなハイファイサウンドを提供します。モニタースピーカーに求められる確かな音像定位と高解像度/フラットな特性。「MSP STUDIOシリーズ」はヤマハ・スピーカー技術の粋を集め、これらのソリューションを高次元に表現しました。また、DVDコンテンツ制作に代表されるハイビット/ハイサンプリング・レコーディングに対応すべく、幅広い再生帯域をカバー。豊かで力強い低域から40kHzの超広域までワイドに再生します。

飛躍的な音質向上を実現した新型磁気回路

「MSP7 STUDIO」は、ポストプロダクションやマルチメディアコンテンツ制作はもちろん、DAWなどコンピューターベースの音楽制作に万全に対応する防磁設計。従来型の防磁技術は磁力線の方向が乱れて音が濁るなどの音に悪影響を及ぼす可能性がありましたが、「MSP7 STUDIO」では磁力線の方向をそろえることで、音の劣化を抑えながら防磁効果を実現する「Advanced Magnetic Structure」方式を採用することで、防磁効果と高音質を両立し、従来型と比較して飛躍的な音質向上を実現しました。

細部にまで配慮した部品選定と組立て構造

スタジオをはじめ、様々なシチュエーションで作業を行うプロからリファレンスモニターとして高い信頼を得るためには、どの筐体でも同じサウンドを得ることができるばらつきのなさ、音質の均一さが重要なファクターとなります。「MSP7 STUDIO」は徹底したパーツの品質管理による均一なパーツクオリティ、長きにわたるスタジオモニター作りのノウハウを生かした最高グレードの組立て精度を実現しました。また構造的にもツイーターを内側からマウントし、キャビネットと一体化することでフレームの鳴きを減らし、フレームから発生する余分な音を排し、原音に忠実な音を再現しました。このように、高いビルドクオリティとそれを支えるスタジオモニター作りのノウハウが凝縮されたヤマハ「MSP7 STUDIO」は世界のあらゆるスタジオで、研ぎ澄まされたリファレンスサウンドを提供します。

プロ仕様にふさわしい充実の端子類を備えたリアパネル

「MSP7 STUDIO」は、独特の形状にデザインされたヒートシンクをはじめ、リアパネルもプロ仕様。INPUTはXLRバランス端子を装備し、HI/LOWのTRIMスイッチにより各帯域での音質調整も万全。また、80Hz/100HzでのLOW CUTスイッチも装備し、サブウーファーと組み合わせたサラウンドソリューション、2.1ソリューションにも対応します。ACコネクタは脱着式を採用しました。

バイアンプ構成の高品位サウンドをコンパクトに凝縮

12cmウーファー&2.5cmチタンドームツイーターは前モデルを継承し、大型マグネットによる磁気回路を搭載した、専用スピーカーユニットを採用。ウーファーにはアルミボビンとロングボイスコイル、ツイーターには磁性流体を採用。日々の酷使に耐える高信頼性設計の強力ユニットです。

特にツイーターには、音の立ち上がりが良く、分解能・耐久性に優れたチタンドームを採用。ウェーブガイドホーンがその性能をフルに引き出し、絶妙のコンビネーションを発揮します。パワーアンプ部は、ウーファー専用の40W/ ツイーター専用の27Wの2基を搭載するデュアルアンプ構成。アンプ前の信号を内蔵アクティブ・クロスオーバーで分割し、それぞれの帯域ごとに専用パワーアンプで増幅するバイアンプ方式は、コイル抵抗などによるロスもなく、濁りや歪みのないクリアでダイナミックレンジの広いサウンドの再生が可能。

「MSP7 STUDIO」同様の一体設計ならではのハイレベルなマッチングが、クラスを超えたスーパーリファレンス・サウンドを生み出します。

DAWでのコンピューターベースの音楽制作に対応したコンパクト&防磁設計

限られたスタジオ・スペースを有効に活用できるコンパクト・ボディで、コンピューターベースのDAW 音楽制作によるスタジオ環境のダウンサイジングに対応。新開発のラウンドシェイプのキャビネットの採用により、より高品位でリニアなサウンドを実現しました。さらに、シールドカバー方式の防磁設計とすることにより、パソコンなどの外部機器への干渉をパーフェクトに防ぎます。リアパネルには、バランス型のXLR 端子とフォーン端子を併装し、ワイヤリングもスピーディー。また、サラウンド用のセンタースピーカーとしての利用にも配慮し、1台単位でお求めいただけます。

TRIMコントロール(LOW/HIGH)とブラケット用ネジ穴装備による幅広いアプリケーションへの対応

コントロールルームの環境、スピーカーの設置状況、モニタリングポジション、ミックスするソース特性などに応じた補正を実現するTRIMコントロールを搭載。LOW(4ポジション)、HIGH(3ポジション)の各コントロールにより、きめ細かなセットアップが可能です。

本体底面にはM5ネジ穴(60 mmピッチ)を装備し、天井や壁に吊るしたり、市販のスタンドに立てて使用することができます。

180Wの大出力アンプを内蔵したクイックレスポンスのパワードサブウーファー

25Hzの重低音を再生可能な新開発10インチウーファーユニットにより、豊かでレスポンスに優れた低音域の再生を実現します。サブウーファー用にチューニングされた低域専用180Wパワーアンプを搭載。超低域の再生も余裕のドライブを約束します。

3系統入力端子とTHRU端子、40Hz〜120HzのLPF(ローパスフィルター)搭載により、サラウンドソリューションに万全に対応

入力にはXLR 型端子を3 系統用意。さらに、各入力にはTHRU 端子も併装し、様々なモニター環境の構築が可能です。SW10再生帯域をコントロールするLPF (40Hz〜120Hz:連続可変式) を標準装備し、サブウーファー用の信号が無い場合でも手軽にサブウーファーの追加が可能。

DVDの再生(2.1、5.1など) やサラウンドモニタリングにも最適です。また、システムに合わせて位相を反転できるフェイズスイッチも搭載しています。